上司との不和を理由に転職活動を開始したKさんは、内定先企業から「好きなだけ希望年収を言ってくれ」と言われる。三十五歳のKさんは、営業管理職として大手商社で活躍していた。大学卒業後に入社して以来、一社で地道にキャリアを積んできた人材である。そんな彼が転職活動をはじめたきっかけは、上司との不和だった。営業スタイルや実績にはそれなりの自信を持っていたKさんだったが、三年前に上司と部下の間柄になった営業部長とどうにもそりがあわない。
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仕事の進め方はもちろん、家庭観や人生観にいたるまで、まるで考え方が食い違っていた。こうなってくると、食べ物の好き嫌いから箸の上げ下ろしまで、相手のやること為すことすべてが癇に障ってくるようになる。営業部長もKさんに対してそんな印象を持っていたようで、Kさんと営業部長の間柄は、社内では知らないものがいないほど有名な「犬猿の仲」状態に突入していった。もちろん、異動申請やら何やら、Kさんとしても防御策に出たものの、結果的には会社側に受け入れられることはなかった。結局、Kさんの方が耐え切れなくなって転職活動を開始した。